晩酌は淡麗辛口で一日の終わりに、ゆっくりと味わう日本酒は、私にとって何よりの楽しみであり、欠かすことのできない晩酌の友です。 近年、新進気鋭の酒蔵や、若い才能あふれる杜氏たちが手がける日本酒は、驚くほど香り高く、口にした時のインパクトは素晴らしいものがあります。 まるで吟醸香のシャワーを浴びるかのような華やかさは、日本酒の新たな可能性を感じさせてくれます。 しかし、そうした個性豊かなお酒は、特別な夜や、じっくりと味わいたい時にこそ真価を発揮するように感じます。 毎日、晩酌の度にそうした甘美な香りと濃厚な味わいを堪能していると、どうしても次第に飽きてきてしまうのです。 まるで、毎日高級なフランス料理を食べていると、ふとした時に家庭料理の素朴な味わいが恋しくなるように。 結局、私の毎日の晩酌に落ち着くのは、昔ながらの、そしてこれからも変わることのないであろう「淡麗辛口」の日本酒なのです。 口に含んだ時のすっきりとした飲み口、喉を通る際のキレの良さ、そして後に残らない潔さ。 過度な主張はなく、料理の味を引き立てながら、そっと寄り添ってくれるような、そんな控えめな存在感が、日々の晩酌には何よりも心地良いのです。 例えば、新潟県の酒蔵が醸す【久保田 百寿 特別本醸造】は、まさに淡麗辛口の王道とも言えるでしょう。 さらりとした口当たりの中に、米本来の旨味がじんわりと広がり、後味はすっきりとキレが良い。 冷やでも燗でも美味しく、どんな料理とも相性抜群です。毎晩の食卓にそっと寄り添い、飲み飽きることがありません。 また、兵庫県の【剣菱 黒松剣菱】も、古くから愛される淡麗辛口の代表的な銘柄です。 やや辛口でありながら、どっしりとした飲みごたえもあり、燗にするとその旨味がさらに引き立ちます。 肴を選ばない懐の深さがあり、じっくりと時間をかけて味わいたい一本です。 さらに、最近注目しているのは、長野県の【真澄 辛口生一本 純米吟醸】です。 こちらは、淡麗でありながらも、純米吟醸ならではの繊細な旨味と、キリッとした辛さが絶妙なバランスで調和しています。 冷やで飲むと、その透明感のある味わいが際立ち、食中酒としても最適です。 もちろん、その日の気分や肴に合わせて、時には香り高いお酒を楽しむこともあります。 しかし、一日の終わりに、肩の力を抜いてリラックスしたい時、そして、日々の食事と共に楽しみたいのは、やはり淡麗辛口の日本酒なのです。 それは、まるで長年連れ添った夫婦のような、安心感と心地よさがあるからです。 これからも、様々な淡麗辛口の銘柄を探求しながら、毎晩の晩酌の時間を大切にしていきたいと思っています。 |