花と鳥と温泉と緑豊かな伊豆修善寺に居を構えて、早や四年が過ぎました。 温泉付きの中古住宅との出合いは、私たち夫婦にとって新たな生活の始まり。 標高280メートルという、冬は少し風が強く寒い土地ではありますが、庭を彩る四季折々の花々と、訪れる愛らしい鳥たちの存在、そして何よりも心身を温めてくれる温泉に恵まれ、穏やかで心豊かな日々を送っています。 春の訪れとともに、庭は鮮やかな色彩に染まります。まず、ひっそりと顔を出すのは、可憐なスミレやタンポポ。 続いて、チューリップやスイートピーが彩りを添え、あたりは優しい香りに包まれます。 初夏には、アジサイが雨に濡れてしっとりと咲き誇り、梅雨の憂鬱さを忘れさせてくれるほどの美しさです。 夏には、太陽に向かって力強く咲くヒマワリや、鮮やかなピンクのサルスベリが庭を賑やかにします。 秋になると、紅葉した木々の葉が舞い落ちる中、ひっそりと咲くリンドウやコスモスが、物静かな美しさを添えます。そして冬には、寒さに耐えながらも、春の訪れを待ちわびるように、椿や水仙が凛とした姿を見せてくれます。 庭の植物たちの変化は、私たちに季節の移ろいを教えてくれます。 毎日眺めていると、小さな蕾が膨らみ、花開き、そして散っていく様子が、まるで生きているかのようです。 手をかけ、世話をすることで、より一層愛着が湧き、その成長を見守ることは、何にも代えがたい喜びです。 豊かな自然に囲まれたこの場所では、様々な野鳥たちが訪れるのも日常の風景です。 朝、小鳥のさえずりで目を覚ますのは、何とも心地よいものです。 ヒヨドリは、庭の隅の木に止まって、楽しそうに鳴き交わし、ムクドリは、群れでやってきては、地面をつつきながら何かを探しています。 時には、美しい声で鳴くホトトギスが姿を見せることもあり、その涼やかな鳴き声は、私たち夫婦の心を和ませてくれます。 鳥たちの愛らしい姿を眺めていると、時間の流れがゆっくりと感じられ、心が安らぎます。 冬の寒さは厳しいものの、この家に備わっている温泉は、そんな寒さを忘れさせてくれる至福のひとときを与えてくれます。 冷えた体を温かい湯に浸すと、じんわりと体の芯まで温まり、日々の疲れも吹き飛んでいくようです。 特に、冷え切った冬の夜に入る温泉は格別で、湯煙の中に身を委ねていると、まるで別世界にいるような安らぎを感じます。 標高が高い分、空気も澄んでおり、夜には満天の星空が広がります。 静寂の中で見上げる星空は、息をのむほどの美しさです。温泉に浸かりながら、あるいは庭に出て、二人で夜空を見上げる時間は、私たち夫婦にとってかけがえのない宝物です。 伊豆修善寺での生活は、決して都会のような便利さはありませんが、豊かな自然と、季節の移ろいを感じながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。 庭の花々、訪れる鳥たち、そして温かい温泉に囲まれたこの家で、私たちはこれからも二人で穏やかに、そして豊かに暮らしていきたいと思っています。 自然の恵みに感謝しながら、この地での生活を大切に育んでいきたいと心から願っています。 |